YTを編む③
連番でお届けしてきたYTを編むシリーズ、第3回目の今回はヤーティカップの環境をより細かく分析しつつ新ヤケモンのポテンシャルに触れたいと思う
まず始めに使用することができるヤケモンを把握しておくことが何よりも大事である
彼を知り己を知れば百戦殆うからず、こちらが今回使用可能なヤケモン一覧になっている
大会ページの表をキャプチャしただけなので画質がワルビアルなのはご愛嬌
役割論理における「最速」とは加工補正がかかっていない&努力値0、つまり一般的に言うただの「S無振り」である
実際にはそれよりも遅い勇敢や冷静にするヤケモンが少なからず存在するが、一般的な「最速」がこの環境においては存在しないため単に種族値だけでS判定できるシーンは多い
まずこの表を見て目につくのがレギュレーションがかかっているS種族値上位のヤケモン達
ビリジオン、ウツロイド、ウルガモス、サンダー以外の98族以上は軒並み制限がかけられている
上記の4体の内、触れておきたいのが論理環境において強さを発揮するビリジオンである
ニコニコYTカップ(6世代)でもデータ不足ヤケモンの立場でありながらKPは上位5本の指に入る程の採用率を誇ったヤケモンだ
このポケモンの強さは何といってもS種族値108から高火力の格闘技を打てることであり、見せ合いの時点から高い負荷をかけることができる
また、多くのヤケモン達がメイン、サブウェポンとして持つ地震と岩技の両方に耐性がある点も強みと言える
ヤリジオンは制限ルールにも該当しないため、今回のヤーティカップでも高い採用率が見込まれるヤケモンだ
昨今のレート環境では守り神やミミッキュなどのフェアリータイプが環境を席巻しており優秀な攻撃範囲を持つこれらのポケモンは、役割論理においても新たな可能性を提示している
まずはカプ・レヒレ
KP上位が予想されるサザンドラなどのドラゴンヤケに対し、役割破壊の心配をしないで済むレベルの十分な耐久を持ち、カプの中で最も多くの耐性を持つ
火力に関してはC種族値が95しか無いためこだわり眼鏡か、妥協しても水Zでの運用なくらいには足りない部類であるが水・妖の通りの良さと技威力の高さでポテンシャルは十分
補助技の無い環境なのでミストフィールドでの状態異常耐性はさほど意味をなさないが、ドラゴン技半減というもう一つの(地味な)効果が大正義ドラゴンタイプの論理環境においては大きな有利点になるのではないかと推測される
次がカプ・テテフ
耐性と物理耐久はゴミ以外の何物でもないが、特殊耐久のそこそこな高さと何と言っても親子愛レベルのぶっ壊れと評判のサイコメイカーでとんでもない火力を押し付けてくる
豊富な搦め手と広範囲が特徴のガルガブゲンボルトアローが常に最上位を守り続けていた6世代
単純に火力で制圧するタイプのポケモンがガブリアスに次ぐ使用率になるとは時代も変わったものである
特性のおかげで火力アップアイテムを免除され、その代わりに足りない耐性をチョッキで補うことでチョッキヤケモンの立ち位置にいる
が、フェアリータイプとは思えないレベルでゴミ耐性なので特殊耐久を増やしたところであまり役割対象が増えないのが現実
そして3体目が新たな核弾頭ことカプ・ブルル
テテフも大概な火力だが、あくまで威力90が眼鏡の火力で飛んでくるに過ぎない
だがこちらは役割論理における最大火力を大幅に更新した物理ヤケのニューヒーローだ
それまでは特化メガリザYの晴れオバヒが67860だったのに対してこいつはグラスフィールド下の特化鉢巻ウドハンで81000とかいう指数を叩き出すのだ これが草Zによるブルームシャインエクストラなら更に火力が出る
上記の鉢巻ウドハンは一般的なH252ギルガルド(耐久指数28000)をGFによる回復を込みでも確2に持っていく頭のおかしさだが、Bが1段階ダウンした状態でH244B12ギャラドスを確1、つまりヤャラドスが威嚇を入れてもワンパンされるという点を覚えておく必要がある
以上の様に火力だけを見れば文句無しだが、H種族値が70しかないため1回ウドハンを振るっただけで次の役割遂行が怪しくなる程の反動が入ってしまう事に加え、論理環境では肝心の役割相手が少ない点がネックと言わざるを得ない
フェアリーの中でKPが高いと思われるのが以上の3体だが、一応残りの新規フェアリー2体にも触れておく(酷評してる気がするけどあくまでヤケモン型への個人的な意見)
前者のカプコケコ
まずヤケモンとしての運用自体に無理があると言わざるを得ない
70-85-75の耐久ラインは候補も含めて全ヤケモンの中で最低クラスで、Hに振ったところで繰り出せる相手も殆ど見当たらない
アイテムによる火力アップはできるが耐久のアップは認められない役割論理においてこの耐久はあまりにも貧弱で、サザンドラくらいにしか後出しできないレベルではないだろうか
また、電気技以外の火力が雀の涙ほどしか無いところも運用のしづらさを感じる
だが論理環境では積まれるということがないので、絶対に抜かれないSからの高火力のボルトチェンジによる対面操作は強烈な強みである
採用する論者はこのヤケモンありきでのYT作成が求められるだろう
後者のアシレーヌ
そのビジュアルからファンの多いポケモンだが、少なくともこの大会で本気で勝ちに行く論者からお呼びがかかることは少ないだろう
残念ながらこの環境において総合的にはレヒレの劣化、攻撃面でもテテフと同等かやや劣化だからだ
なぜアシレーヌがアローラ環境のS1でトップ30に入る程活躍できたかを鑑みてみよう
アシレーヌZの採用によるわだつみのシンフォニアの高火力+貴重な先制技であったアクアジェットによって高い対面性能があったからだ
しかしヤシレーヌはシンフォニアの素となるうたかたのアリアを使えない
これは大会ページのルールにも個別育成論のページにも明記されていて、理由は単にハイドロポンプの存在だ
ヤビゴンがほんきをだすこうげきの素になるギガインパクトを一蹴されているように、例えZ技で有用であってもその後のサイクルを考えた場合に腐ってしまうため「論理的にありえない」のである
ちなみにアローラ御三家のZ技はYoutubeにあげると動画ごと削除されるらしい
大人の世界はつらくきびしい
他にも詳しく触れたい新ヤケモン候補はたくさんいるが既に過去最大ボリュームの記事になりそうなので絞って解説しようと思う
・Rガラガラ
避雷針込みでの10の耐性と実質A212族(実数値ではなくあくまで種族値)
そこから放たれる一致威力120のフレアドライブ(火力指数52200)
非接触かつ凄まじい一貫性で撃てる専用技シャドーボーン
カントーの姿から受け継いだ優秀連続技ホネブーメラン(ただし今大会では地震推奨)
地面との補完が完璧なストーンエッジ
この4技だけでほとんどの敵を2発以内に溶かす圧倒的なA&範囲、アローラポケの中でも最もヤケモン適性の高いポケモンと言える
ただしこちらもブルル同様H種族値のかなりの低さにより、メインウェポンが反動技なので運用がかなりシビアになる
それでも有利相手に繰り出してブッチギリのAの高さからシャドーボーンを連打していれば、相手が勝手に疲弊していくので要注意と言えるだろう
今のレート環境では下火になっているがこの大会ではどのくらい使われるか興味深いところである
・マッシブーン
対となるフェローチェがボケモンの鑑なのに対して、こちらはヤケモンの鑑である
Hにぶっぱするだけで物理耐久は35000を超え、インファこそ無いものの同じ120技の馬鹿力をビーストブーストで帳消しにしていくザ・脳筋
耐性と耐久が噛み合わないヤケモンも多い中、地面と格闘半減、竜と岩が等倍と正に物理相手に対し機能停止に持っていくほどの圧倒的な強さを誇る
だが残念な点も多く、メインウェポンの通りづらさや飛行4倍炎2倍などヤケモンの中での上位層に尽く歯が立たないところがウィークポイントだ
論理環境においてはバンギラスやランドロスに役割が持てるので決して弱くはないが、メガヘラクロスが解禁された場合はそちらに流されてしまう可能性がある
氷技や電気技などの独自の強みを活かしていけるか、使用プレイヤーの腕が試されるヤケモンだ
・クワガノン
飛んでる電気は強い
と言いたいところだが虫タイプが足を引っ張ってメガマンダの相手はできない
しかし電気+虫の範囲は思ったより広く、エナボも使えるためドサイドンの相手もできる点は強みの一つ
C145族に対して耐久ラインは77-90-75しかなく、電気版ヤャンデラと言える様な種族値となっている
しかしこのポケモンも論理環境においては役割相手が殆どおらず、特化ヤャラのアクテも3発は耐えられないため使うとすれば先発に出してボルチェンをしていくのが仕事になるだろう
ちなみレート環境ではチョッキを着て特殊全般を受けたり鉄壁と羽休めでサンダーのような役割をこなしている
・キテルグマ
GIFが怖い
ノーマルタイプとしてカビゴン以来にヤケモン入りしている有望株
種族値は500しかないものの、特性もふもふによりB振り時の物理耐久は(接触技に限り)50000を超える これは特化ガブの逆鱗が確定4発とかいう異次元のラインだ
特性ありきではあるがマッシブーン同様物理全般を役割相手にできる格闘タイプで、フレアドライブが等倍扱いになりシャドークローを使える点が差別点となる
地震は特性の範囲外であったり、メインウェポンが命中75のメガトンキックになるところは決して使いやすいとは言えない
それでも貴重な岩と霊に耐性のあるヤケモンでありPTの補完として声がかかることは決して少なくないだろう 個人的に注目しているヤケモンの一体
以上が新ヤケモンに対する見解である
これ以外のポケモンも勿論ポテンシャルは高いものがあり、総じてアローラ地方はヤケモンの産地と言える
前回の記事でも書いたが、論理環境ではとにかくドラゴンタイプが強い
攻めでも守りでも、高火力高耐性は大正義であり6世代にもフェアリータイプはいたとはいえどれも完封できるほどの満足なスペックとは言えなかった
カプ達は、拘ることが多いラティオスやサザンドラに安易に超火力をぶっぱさせないための抑止力としては勿論、攻めの点でも相手に対策を強いるスペックを持っている
1YT1カプとまではいかずとも、多くのYTで採用されるはずだ
ここまで延々と個人的な環境に対する雑念を綴ってきたが、これらを踏まえた上で第10回YTカップに臨むためのヤーティを練りあげた
記事が長くなりすぎるので構築は次回の記事に回すこととする
最後に役割論理とは関係はないが耐久指数と火力指数の計算式をメモ代わりに載せておく
高乱数1発にする火力指数=耐久指数÷0.44
特化ガブリアス(A130族)の地震(一致100技)の火力指数がA実数値200×技威力100×一致補正1.5でピッタリ30000となる
これを式に当てはめて0.44をかけると耐久指数13200までのポケモンが高乱数1発で落とされることと導き出される ちなみに耐久無振りのキノガッサとほぼ同じライン
この記事で述べたブルルの頭おかしさを改めて計算してみよう
今回は鉢巻ではなくZウドハンを対象にしてみる 200×190×1.5×1.5で火力指数は85500にも上る
これに0.44をかけると出てくる数値が37620、なんと等倍だと仮定した場合のHBスイクンが1発で吹き飛ぶレベルの火力だ
ここまでくると最早害悪と言えるレベルの火力であり、基本的に半減で受ける発想は捨てた方が賢明である
PTに草1/4か特性そうしょくでもいない限りブルルに一体持っていかれる事を覚悟する必要があるのだ
吾輩は論者である ..言うことはない